ブラック企業大賞は労働問題に取り組む弁護士や大学教授、労働組合(労組)関係者らが主催しています。昨年に続いて第2回となったブラック企業大賞の授賞式が8月11日に開催されました。
ブラック企業ランキング2013で大賞に輝いたワタミ、やっぱり恐ろしい過労死の実態が浮き彫りになったようだ。
ブラック企業大賞の主催者発表によれば、投票総数は3万501票。ワタミフードサービスがこのうちの72%を占める2万1921票を獲得しました。わたみ代表者は授賞式に現れなかった。
《ブラック企業大賞ランキング2013の受賞結果》
・大賞:ワタミフードサービス・特別賞:東北大学
・業界賞:クロスカンパニー(アパレル)
・教育的指導賞:ベネッセコーポレーション
・一般投票賞:ワタミフードサービス
今回、ブラック企業大賞にノミネートされた国立大学法人・東北大学を含む8社では、計7人が主に長時間の過重労働によって死亡しています。ブラック企業大賞を受賞したワタミは2008年6月、入社2カ月の女性社員が精神疾患で過労自殺した。手帳には「どうか助けてください。誰か助けてください」などと書かれていたそうですが、ワタミは完全にキレて否定しています。
ブラック企業特別賞の東北大学では2人が死亡。ブラック企業の理由としては1人目の死者は薬学部の助手で、07年12月に「新しい駒を探してください」との遺書を残して自殺しています。また、2人目の死者は工学部の准教授で、東日本大震災で研究室が全壊、再開を目指して奔走したが、大学から2年以内の閉鎖を告げられて半月後に自殺しています。
ブラック企業業界賞を受賞したのは、クロスカンパニー。09年4月に就職した女性社員が10月に死亡しています。「売上未達成なのによく帰れるわよねえ」というマネージャーの発言もあったらしいです。
その他、ブラック企業大賞の受賞にならなかった、西濃運輸、サン・チャレンジ、東急ハンズでも過労死・過労自殺が出ている。ブラック企業大賞ノミネート8社のうち、過労死が出ていないのは、王将フードサービス(鬱病を発症)、進研ゼミ(追い出し部屋に異動)。その他、東北大学では2年連続で学位論文の受取を拒否された理学研究科の大学院生が自殺するケースも起きています。
《ブラック企業とは》
ブラック企業とは、ブラック企業大賞実行委員の竹信三恵子さんは、「労働者の生存権を脅かす」事として、「法律または法律の趣旨に反した労務管理によって、労働者の生存権を脅かすような人権侵害をしたり、労働者の使い捨てによって利益を上げることがビジネスモデルになっているような企業」としています。ワタミの「理念集」には、「365日24時間死ぬまで働け」という一節が書かれています。娘を過労自殺で亡くした遺族は、これを「未必の故意」「殺意」と非難しています。《ブラック企業 定義》
ブラック企業は刑事事件に問えないのか?という問題があります。しかし、違法な労働条件などにより社員が過労死しても、その企業の経営者が刑事事件で起訴されたり、有罪になったということはありません。従業員を過労死させたというだけでは、違法にならないらしい。労働時間には1日8時間、週40時間までという上限が労働基準法で定められているが、労使が協定を結ぶことで、これを超えて労働(残業)させることができます。ところが、残業時間には法的な上限がないため、過労死基準を超える協定を締結すれば、従業員を過労死させただけでは罪に問えないらしい。
ではブラック企業に入社したらどうすればいいんでしょうか?
ブラック企業大賞の実行委員の須田光照書記長は、「こうした企業経営者に対して、1ミリたりとも幻想を持ってはいけない」と言うコメントと横のつながりが大事だと指摘しています。いわゆる団結する事とつながりを持つことだということです。もしあなたがブラック企業の被害者になったら、社外の労働組合や支援組織などに相談すれば突破口が開けるかもしれませんね。
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